PDF から JPG への変換が他の変換と違う理由
ほとんどのファイル変換は、入れ物を別のものに替えるだけです。PNG を JPG にしてもピクセルは同じままで、保存のしかたが変わるだけ。ところが PDF から JPG への変換は、まったくそうではありません。
PDF のページはベクター命令、JPG はピクセル
PDF のページは固定のピクセルサイズを持たない描画命令の集まりで、JPG は固定のピクセル格子です。そのため PDF から JPG への変換では常に解像度を選ぶことになり、「そのまま保持される」ものは何もありません。
PDF をテキストエディタで開くと、そこにあるのは絵ではなく命令です。このフォントを設定、この座標へ移動、この曲線を描く、この形を塗る。ページは「描かれている」のではなく「記述されている」のです。だからどんなサイズでも鮮明にレンダリングでき、それこそが文書フォーマットとして優れている理由です。
JPG にはそうした柔軟さがありません。色の付いた点の長方形、たとえば横 1275 × 縦 1650 の格子であり、それ以上のものには決してなりません。拡大すれば点が大きくなるだけです。
解像度は「保持」ではなく「選択」しなければならない理由
つまり PDF から JPG へ変換するとき、何点使うかを誰かが決めなければなりません。その決定が DPI 設定であり、このページで最も重要な選択です。低すぎると小さな文字は灰色のにじみになり、高すぎると 10 ページの文書が誰もメールで送れない 100 MB の画像になります。
多くのオンライン変換ツールはこの選択を隠し、たいてい低めの数値を勝手に決めます。このツールでは設定を前面に出し、ピクセルサイズとファイルサイズの見積もりをリアルタイムに表示するので、数値の意味がわかります。
ページのレンダリングと、ページ内の画像抽出の違い
もうひとつ、混同しやすい区別があります。「PDF から JPG を取り出す」には、まったく異なる 2 つの意味があるのです。
PDF のページを JPG にレンダリングすることと、PDF に埋め込まれた画像を抽出することは別の操作です。前者はページそのものの画像を、後者はページに配置された元の写真を出力します。
パンフレットの 3 ページ目に写真があるとします。ページをレンダリングすると、写真に加えて見出し、本文、周囲の白い余白まで、選んだ DPI で出力されます。抽出すると写真だけが、保存されていたピクセル寸法そのままで出てきます。多くの場合、レンダリングしたページより大きくなります。
実際にどちらが必要か
ページを共有したい、スライドに挿入したい、スマホで読みたい。それならページをレンダリング。カタログから商品写真を、レポートから図を取り出したい。それなら画像を抽出。この変換ツールはどちらにも対応し、ひとつのスイッチで切り替えられます。
この PDF から JPG への変換ツールでできること
このツールはブラウザ内で PDF を開き、サムネイル一覧でページを選ばせ、指定した DPI で各ページを JPG にレンダリングし、個別ファイルまたは ZIP として返します。文書をサーバーへ送ることは一度もありません。
すべてブラウザ内で完結
レンダリングエンジンは pdf.js、Firefox が PDF の表示に使っているのと同じオープンソースライブラリです。これがタブの中で動きます。ファイルをドロップすると端末のメモリに読み込まれ、ページ画像は端末のキャンバスに描かれ、JPG のバイト列は端末上でエンコードされます。
自分で確かめることもできます。ブラウザの開発者ツールを開き、ネットワークパネルを見ながらファイルを変換してみてください。何も送信されません。
これはプライバシー以外にも実際的な意味があります。アップロード待ちも、順番待ちも、「本日あと 2 回」もありません。300 ページの PDF にかかる時間は、あなたのパソコンが 300 ページを描くのに必要な時間だけ。1 秒も余計にかかりません。
出力されるもの:1 ページにつき 1 枚の JPG
デフォルトモードでは、選択した各ページが元ファイル名を基にした 1 枚の画像になります。report-page-01.jpg、report-page-02.jpg という具合で、どこに置いても正しく並びます。結果の各カードには、ダウンロード前にピクセルサイズとファイルサイズが表示されます。
画像を抽出に切り替えると、出力は埋め込み画像 1 枚につき 1 ファイルになり、元のページ番号が付きます。どちらのモードでも JPG または PNG で出力できます。
3 ステップで PDF から JPG へ変換する方法
PDF をドロップ
点線のエリアにファイルをドラッグするか、クリックして選択します。パスワード付き PDF にも対応しており、入力を求められたパスワードもページの外には出ません。1〜2 秒で全ページのサムネイル一覧が表示されます。
ページと解像度を選ぶ
最初はすべてのページが選択されています。サムネイルをクリックして切り替えるか、「ページ」欄に 1-3, 7 のような範囲を入力します。両者は連動します。72・150・300 DPI を選ぶと、ピクセルサイズの見積もりが更新されます。埋め込まれた写真を取り出したい場合は、モードを「画像を抽出」に切り替えてください。
JPG を 1 枚ずつ、または ZIP でダウンロード
「変換」を押します。完成したページから順に結果グリッドに並び、それぞれにダウンロードボタンが付きます。処理が終わると「ZIP をダウンロード」ですべてを 1 つのアーカイブにまとめられ、ファイル名も整理され並べ替えしやすくなっています。
PDF をドロップします。ブラウザ内でローカルに開かれ、アップロードは一切されません。
サムネイル一覧でページをクリックするか、範囲を入力します。72・150・300 DPI を選ぶか、「画像を抽出」に切り替えます。
1 枚ずつダウンロードするか、すべてをまとめて ZIP でダウンロードします。
適切な DPI と品質の選び方
PDF から JPG への変換の仕上がりを決める設定は 2 つ、解像度と JPG 品質です。影響する部分がそれぞれ異なるので、選ぶ前に両方を理解しておくと役立ちます。
DPI を表ひとつで理解する
DPI は 1 インチあたりのドット数です。PDF のページには物理的なサイズがあり、US Letter なら 8.5 × 11 インチ。DPI はその 1 インチにいくつのピクセルを割り当てるかを決めます。
150 DPI では US Letter のページは 1275 × 1650 ピクセルの JPG になり、300 DPI では 2550 × 3300 ピクセルになります。ピクセル数は 4 倍、ファイルサイズもおよそ 4 倍です。
画面・Web・印刷:用途別の設定
画像を小さなプレビューにしか使わないなら 72 DPI。ファイル一覧のサムネイルや、チャットアプリでさっと見る用途です。原寸なら文字は読めますが、鮮明ではありません。
それ以外のほぼすべてにはデフォルトの 150 DPI。共有、スライド、スマホやタブレットでの閲覧、Web サイトへの掲載。脚注が読める鮮明さと、送るのに困らない軽さを両立します。
JPG を印刷する、印刷用レイアウトに配置する、拡大して見るなら 300 DPI。テキスト文書で 1 ページあたり 1〜3 MB、写真を含むページならそれ以上を見込んでください。
カスタム欄には 50〜600 DPI の任意の値を入力できます。非常に大きなページを非常に高い DPI で処理すると、ブラウザのキャンバスの上限を超えることがあります。その場合はエラーにせず、ツールが自動的に DPI を下げて結果にその旨を表示します。
JPG 品質とファイルサイズ
品質は別のつまみです。DPI がピクセル数を決め、品質はそのピクセルをどれだけ強く圧縮するかを決めます。スライダーの範囲は 60〜100 です。
90 が最適な理由
ファイルサイズは品質に比例して増えるわけではありません。60 から 90 まではゆるやかに増え、90 を超えると急激に、95 を超えると見た目が同じままさらに約 2 倍になります。レンダリングした文書ページでは 90 がちょうどカーブの折れ目で、ここではそれをデフォルトにしています。これ以上に上げる理由はめったにありません。
下げるほうは価値があることもあります。アップロード上限に収めなければならないなら、まず 80 へ。小さな文字はまだ読め、ファイルは 3 分の 1 小さくなります。
JPG ではなく PNG を選ぶべきとき
ほとんどのページでは JPG が正しい出力で、検索バーに入力したのもそれでしょう。ただし JPG は透明を保存できず、硬いエッジをわずかにぼかします。線画、図表、スクリーンショット、あるいはすべてのエッジを正確に残したいスキャン済みフォーム、または透明背景が必要な場合は PNG を選んでください。代償はサイズで、PNG のページ画像は通常 2〜4 倍大きくなります。主に PNG が必要なら、専用のPDF から PNG への変換ツールがデフォルトで PNG を出力します。
US Letter ページの DPI 早見表
| 設定 | ピクセル(8.5 × 11 インチ) | q90 での一般的な JPG サイズ | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 72 DPI | 612 × 792 | 60–150 KB | サムネイル、簡易プレビュー、チャット |
| 150 DPI | 1275 × 1650 | 200–500 KB | 共有、スライド、スマホ、Web ページ |
| 300 DPI | 2550 × 3300 | 1–3 MB | 印刷、拡大表示、アーカイブ |
| 600 DPI | 5100 × 6600 | 4–10 MB | 業務印刷向けの精細な線画 |
PDF を JPG にしてできること
変換そのものが目的で PDF から JPG へ変換する人はほとんどいません。画像は手段であり、目的が設定を決めます。
ページを SNS やチャットで共有する
ほとんどのメッセージアプリや SNS は画像をすぐにプレビューしますが、PDF はダウンロードが必要な添付ファイルとして扱います。1 ページを 150 DPI の JPG で保存すれば、どの端末でもインラインで読みやすく表示されます。そのページだけを選んで変換し、送るだけです。
PDF のページをスライドや文書に挿入する
プレゼンソフトは PDF のページを直接埋め込めませんが、画像なら配置できます。画面用の資料なら 150 DPI、印刷する資料なら 300 DPI でレンダリングし、JPG をスライドにドラッグしてください。Word、Google ドキュメント、メール署名でも同じ手が使えます。
契約書や身分証のページをどの端末でも読めるようにする
スキャンした賃貸契約書、署名済みの合意書、パスポートのページ。これらはまさに、どこかの変換サイトにアップロードすべきでないファイルです。ブラウザ内で JPG にレンダリングすれば、ファイルを端末に置いたまま、複数ページの PDF が苦手なスマホを含めどこでも開ける形式が手に入ります。
文書ライブラリ用のサムネイルを作る
社内ポータル、講座サイト、ダウンロードページは、各文書の 1 ページ目の画像があるだけで見栄えが大きく変わります。1 ページ目だけを選んで 72 DPI でレンダリングすれば、小さく読み込みの速いサムネイルができます。フォルダ内の PDF をまとめて処理し、出力名を統一してください。
カタログやレポートから写真を取り出す
これこそ「画像を抽出」モードの出番です。ページを選ぶと、埋め込まれた写真が 1 枚ずつ、保存時のピクセルサイズのまま出力されます。見出しも余白も再レンダリングもなし。仕入先 PDF の商品写真、論文の図、アーカイブのスキャン画像が、次の工程にすぐ使えるきれいなファイルとして手に入ります。
ブラウザ型とサーバー型の PDF から JPG への変換ツールの違い
世の中の無料の PDF から JPG への変換ツールは、ほぼすべて同じ仕組みです。ファイルをアップロードし、サーバーがレンダリングし、結果をダウンロードし、サーバーはいずれコピーを削除する。公表されている保持期間は 1 時間から 24 時間までさまざまです。この方式が間違いというわけではありませんが、ブラウザ型にはないコストを伴います。
サーバー型がまだ優位な点
正直に言います。サーバーはスマホよりメモリが多くプロセッサも速いので、かなり古い端末では 500 ページの文書をサーバー型のほうが早く終えます。また一部のサーバー型ツールにはスキャンページを検索可能なテキストにする OCR があり、このツールはそれを扱いません。
埋め込み画像を元の解像度で抽出する
つい最近まで、これがサーバー型のもうひとつの強みでした。ページを再レンダリングするのではなく、ファイルから元の画像を取り出す機能です。その差はもうありません。ここの「画像を抽出」モードは、PDF から各画像の保存ピクセルを直接読み取ることで、同じことをブラウザ内で行います。
機密文書をオフラインに留めるべき理由
契約書、診療記録、財務諸表、署名や ID 番号を含むものすべて。一度アップロードすれば、ファイルはあなたが管理できないマシン上に、たぶん読んでいないプライバシーポリシーのもとで、運営者が定める期間だけ置かれます。ブラウザ型の変換ツールはこの問題を丸ごと消し去ります。削除すべきコピーがないのは、最初から存在しないからです。
利用枠の問題も同じ根っこです。サーバー時間には費用がかかるので、無料枠は配給制になります。1 日 2 ファイル、1 ファイル 10 ページ、初回変換後に登録画面。自分の端末でレンダリングすれば運営者の費用はゼロで、だからこのページはアカウントなしでページ数もファイル数も無制限にできるのです。
機能比較
| このツール(ブラウザ) | 一般的なサーバー型ツール | |
|---|---|---|
| ファイルのアップロード | なし | 常にあり |
| コピーの保持 | なし | 1〜24 時間 |
| ページ数 / ファイル数の制限 | なし | 1 日の上限または有料プラン |
| ページの選択 | サムネイル一覧 + 範囲指定 | 全ページのみが多い |
| DPI の指定 | 72 / 150 / 300 / カスタム | 固定または 3 プリセット |
| 埋め込み画像の抽出 | 対応 | 一部、多くは有料 |
| パスワード付き PDF | 対応、パスワードはローカルに留まる | まちまち |
| オフライン動作 | 可能、ページ読み込み後 | 不可 |
変換した画像の次の使い道
PDF から JPG への変換は、たいてい最後ではなく最初の一歩です。できあがった画像はごく普通の JPG なので、このサイトの他のツールはどれも再アップロードなしでそのまま使えます。
メールやフォームの容量に収める必要があるなら、200 KB に圧縮ツールか、より細かく調整できる JPEG 圧縮を通してください。ページの一部だけが必要なら画像をトリミングし、プラットフォームが特定の幅を求めるなら画像をリサイズして合わせます。
逆方向に戻したいときは、ページ画像を編集・並べ替えたあとに JPG から PDF で文書に組み直し、PDF を結合で他のファイルと合わせられます。本当に欲しかったのが画像ではなく文字なら、PDF から Word がテキスト層を抽出します。
これらのツールはすべて、このツールと同じルールを共有しています。ファイルは最初から最後までブラウザの中に留まります。