PDF 結合ツールで品質が失われがちな理由
PDF 結合ツール選びは、どれでも同じに思えるかもしれません。しかし実際には、ツールがどう処理するかで、出来上がるファイルは大きく変わります。
再描画方式とページコピー方式
素朴な実装は、各ページを新しい文書に描画し直します。つまりラスタライズです。テキストもフォントもベクター画像も、ピクセルの格子に変換されます。結果は「だいたい正しく見える」だけで、測定できるあらゆる指標で劣化しています。
「無劣化結合」の本当の意味
PDF のページは画像ではありません。埋め込みフォント、画像オブジェクト、ベクターパスを参照するコンテンツストリームです。無劣化の結合は、これらのオブジェクトを一切変更せずに出力文書へ移植します。結合後のファイルは入力と同じ品質で、サイズもおおむね入力の合計と同程度になります。
この PDF 結合ツールはまさにそれを行います。テストスイートでは、出力が入力合計の 1.5 倍以内に収まること、そして結合後のページにフォントリソースが残っていること——つまり本物のテキストレイヤーが生き残っていること——を検証しています。再描画方式の実装なら、どちらのテストも通りません。
実用上の違いはこうです。テキストの選択と検索が引き続きでき、ファイルサイズが膨れ上がらず、ピクセルではなくテキストを解析するあらゆるシステムから読み取り可能なまま保たれます。
サーバー上でファイルに何が起きるか
ほぼすべての無料ツールは文書をアップロードし、リモートで結合し、しばらくコピーを保持します。公表されている保管期間は、Smallpdf 1 時間、PDF24 1 時間、iLovePDF 2 時間、PDF Candy 2 時間です。
休暇の写真をまとめる分には気にする必要はありません。しかし署名済みの契約書、医療記録の一式、取締役会資料となれば話は別です。そしてこの問題は、ファイルをアップロードしないことで丸ごと回避できます。
PDF 結合ツールとは
PDF 結合ツールは、複数の PDF ファイルのページを 1 つの新しいファイルにコピーして、単一の文書にまとめます。クライアントサイドの結合ツールはこれをブラウザ内部で行うため、文書がどこかへ送信されることは一度もありません。
「結合」「統合」「連結」— 同じもの?
同じです。「PDF 結合」「PDF 統合」「PDF 連結」はいずれも、複数の文書のページを 1 つにつなげることを指します。技術的な違いはなく、ツールによって言い方が違うだけです。
PDF 結合ツールの間で本当に違うのは、操作の細かさです。ファイル単位の並べ替えしかできないツールもあります。本ツールはすべてのページを独立したカードとして扱うため、2 つの文書のページを交互に並べたり、スキャンの途中にある白紙ページを抜いたり、20 ページの契約書から署名ページ 1 枚だけを取り出したりできます。
パソコンのリソースを使いますか?
使います。この点は正直にお伝えします。PDF24 はサーバー側方式をまさにこの一文で訴求しています。クラウドでの結合は「お使いのシステムのリソースを消費しません」と。
それは事実です。数百メガバイトをローカルで結合すれば、確かにメモリを使います。その代わりに、往復 2 回のネットワーク転送と、文書のサーバー側コピーを一切避けられます。実際のコストは聞こえるより小さく済みます。ページオブジェクトのコピーは描画よりはるかに軽く、画像のデコードもページのラスタライズも一切行わず、参照を移動するだけだからです。
PDF ファイルを結合する 3 ステップ
PDF を置く
上のボックスにファイルをドラッグするか、クリックして選択します。届いた時点で各ファイルを開いてチェックするため、パスワード保護や破損のある PDF はその場で報告されます。80 ページを 5 分かけて並べ終えたあとではありません。
ページを並べる
すべてのページが出力順にサムネイルで表示されます。ドラッグして移動するか、× をクリックして除外できます。異なる文書のページを自由に交互配置でき、同じページを 2 回使うことも可能です。
結合してダウンロード
すべてを 1 つの PDF にまとめてダウンロードします。ページは再描画ではなくコピーされるため、テキストは選択可能なまま、画像は元の解像度のまま、サイズの異なるページはそれぞれの寸法のまま保たれます。
PDF 結合で残るもの — 残らないもの
ページの内容は、結合してもそのまま残ります。一方、文書レベルの構造は残せない場合があります。2 つの文書がそれぞれ独自の構造を持ち、勝てるのは片方だけだからです。
そのまま引き継がれるもの
テキストレイヤー。結合後の PDF も検索・選択が可能です。画像データは元の解像度のまま、再圧縮は一切ありません。埋め込みフォント。ベクター画像はベクターのまま。ページごとの寸法も保持されるため、A4 の文書とレターサイズの文書がそれぞれのサイズを保ち、1 つの枠に押し込まれることはありません。ページ内を指すリンクも残ります。
引き継がれないもの
しおりと文書のアウトライン。フォームフィールドと入力済みの値。タイトルや作成者などの文書レベルのメタデータ。添付ファイル。ある元文書から別の元文書を指していたリンク。移動先が独立したファイルとして存在しなくなるためです。
結合すると電子署名が無効になる理由
電子署名は、特定のバイト列が変更されていないことを証明するものです。結合すれば必然的に別のファイルになるため、署名は一致しなくなり、破棄されます。これは本ツールの制限ではありません。署名とはそういうものであり、すべての PDF 結合ツールが同じ挙動になります。署名を有効に保ちたい場合は、署名済みの文書を結合するのではなく、結合した文書に署名してください。
暗号化された PDF
パスワード保護された PDF はパスワードなしでは読み取れず、したがって結合できません。ファイルを置いた時点で検出し、その場でお知らせします。まず PDF リーダーで保護を解除してから結合してください。
こんな場面で使えます
スキャンした契約書ページをまとめる
スキャナーは 1 ページ 1 ファイルで出力したり、給紙の詰まりごとに文書を分割したりしがちです。それらを 1 つのファイルにまとめ直すことこそ、PDF 結合ツールが検索される最大の理由です。そして契約書は、まさにアップロードしたくない文書の代表です。
応募書類一式を組み立てる
ビザ申請、助成金の申請、就職応募では、指定の順序で複数の書類を収めた単一の PDF が求められることがよくあります。ここでページ単位の操作が生きます。要件はたいてい正確な順序を指定しており、除外指定のあるページを 1 枚抜くほうが、書き出し直すより簡単だからです。
経理用に請求書を結合する
月末には、数十件の請求書 PDF を 1 つのファイルで提出しなければならないことがよくあります。本ツールにはファイル数制限がないため、60 件の請求書フォルダも一度の操作で結合できます。
ポートフォリオ PDF を作る
書き出したデザインボード、事例紹介、表紙を 1 つの文書にまとめられます。結合が無劣化なので、画像は書き出したときの解像度を保ちます。再描画方式の結合ツールなら、静かにダウンサンプルされてしまうところです。
元の素材が PDF ではなく画像なら、まずJPG → PDF ツールで変換してから、その結果をここで結合してください。
TinyImagePro とオンライン PDF 結合ツールの比較
| TinyImagePro | 一般的なオンライン結合ツール | |
|---|---|---|
| 結合が行われる場所 | お使いのブラウザ | 各社のサーバー |
| ファイルのアップロード | 一切なし | 常に発生 |
| 結合後の保管 | 保管するものがない | 1〜2 時間 |
| ファイル数の上限 | なし | Adobe 100 件、PDF Candy 100 件 |
| ページ数の上限 | なし | Adobe 合計 1,500・1 ファイル 500 |
| 1 日の利用上限 | なし | PDF Candy:1 時間に 1 タスク |
| ページ単位の並べ替え・削除 | 可能 | 多くは可能 |
| サイズの異なるページ | 保持 | 多くは保持 |
| 暗号化ファイルの検出 | 置いた時点 | アップロード後のことが多い |
| 端末のリソースを使うか | 使う | 使わない — それがトレードオフ |
PDF を結合したあとに:圧縮・変換・共有
結合したファイルがメールに大きすぎる場合
結合後の PDF のサイズは、およそ入力の合計です。結果が大きいなら、元のどれかが大きかったということで、原因はほぼ必ず画像です。ページになる前にJPEG 圧縮や PNG 圧縮で画像を小さくするほうが、出来上がった文書を圧縮するよりはるかに効果的です。
Word 文書から始める場合
結合したいものの一部がまだ Word のままなら、まずWord PDF 変換ツール——こちらも完全にブラウザ内——で変換し、出来上がった PDF をここに戻してください。
組み上げた文書をどこかへ送る前に、ウォーターマークを入れることと、中の画像のメタデータを消すこともおすすめします。写真には GPS 座標が日常的に含まれており、文書に貼り付けても残るからです。
以上はすべて、この PDF 結合ツールと同じ原則で動いています。ファイルはお使いのマシンに留まります。同種のツールは無料 PDF ツールのページに、画像ツールはすべての無料ブラウザツールにまとめてあります。