画像変換で実際に変わるもの
画像ファイルは 3 つの要素が重なってできています。コンテナ(ファイル形式)、ピクセルをどう圧縮したかを定めるコーデック、そしてピクセルそのものです。画像変換とは、あるコンテナからピクセルを取り出し、新しい形式に合った方法で圧縮し直して、別のコンテナに書き込む作業です。
この画像変換ツールは、ブラウザ内で各ファイルを読み込み、ピクセルを canvas に描画して、JPG・PNG・WebP のいずれかにエンコードします。何を入れても、出てくるのは「画像を表示する」という 1 つの役割だけを持つ、まっさらな新しいファイルです。
コンテナ、コーデック、ピクセル
たいていの場合、気にするのはコンテナだけです。ファイルをどこで使えるかを決めるのがコンテナだからです。HEIC を受け付けないホームページ作成サービス、JPG しか受け付けないフォーム、WebP を本文に表示せず添付ファイル扱いにするメールソフト。これらはすべてコンテナの問題で、変換すれば解決します。
変換しても高画質にはなりません
変換ツールはピクセルを移し替えるだけで、新しく作り出すことはありません。640 ピクセルのサムネイルは変換後も 640 ピクセルのままで、ぼやけた写真はぼやけたままです。変換前にぼやけていたり、ブロック状のノイズが出ていたりする画像は、変換後も形式が変わるだけで見た目は同じです。
JPG・PNG・WebP:出力形式の選び方
日常の用途は、ほぼこの 3 つの形式でまかなえます。どれが適しているかは、画像の中身と使い道によって決まります。たいていの画像は、「写真か?」「Web サイトに載せるか?」という 2 つの質問で答えが出ます。
JPG が適しているとき
JPG は、スマホ、カメラ、プリンター、アップロードフォーム、オフィスソフト、10 年前のブラウザまで、ほぼあらゆるものが受け付ける形式です。目にはほとんど分からないディテールを捨てることで、写真を非常に効率よく圧縮します。メールで送る写真、印刷する写真、フォームにアップロードする写真、相手がどんなソフトを使っているか分からないときに共有する写真には JPG を選びましょう。既定の画質 90% なら、元画像との違いはほとんど見分けられません。
PNG が適しているとき
PNG はロスレス(可逆圧縮)で、すべてのピクセルが元のとおりに復元されます。そのため、スクリーンショット、図表、ロゴ、スキャンした文書など、輪郭がくっきりしたものや単色の面が多いものに安心して使えます。こうした画像を JPG で圧縮すると、文字の周りにもやもやしたにじみが出てしまいます。PNG は透過も保持できます。その代わりファイルサイズは大きく、写真を PNG で保存すると、同じ写真の JPG の数倍になるのが普通です。
WebP が適しているとき
WebP は両方の役割をこなします。非可逆(ロッシー)モードでは JPG と競い合い、Google 自身の計測では、非可逆 WebP は同等の JPG より 25–34% 小さくなります。ロスレスモードでは PNG の代わりになり、サイズは約 26% 小さく、どちらのモードでも透過に対応しています。現在のブラウザはすべて WebP を表示できるため、Web サイトに載せる画像にはうってつけです。ただしブラウザ以外での対応はまちまちなので、誰かに送るファイルなら、今でも JPG か PNG のほうが無難です。
非可逆 WebP とロスレス WebP、どちらを使う?
写真には非可逆 WebP を、スクリーンショットや図版など普段なら PNG で保存するものにはロスレス WebP を使いましょう。すべてのピクセルを正確に残したいときは、設定でロスレス WebPをオンにしてください。
変換で失われるもの
変換はたいてい問題なく済みますが、4 つのものが知らないうちに失われることがあります。あらかじめ知っておけば、変換をやり直す手間が省けます。
以前の保存ですでに失われたディテール
画像を JPG(または非可逆 WebP)で保存するたびに、エンコーダーはディテールを少しずつ捨てていきます。1 回の保存なら目に見えませんが、10 回も保存すると、空にブロック状のノイズが出たり、輪郭がにじんだりし始めます。JPG を PNG に変換しても、JPG がすでに捨てたディテールは戻りません。それ以上の劣化を止めるだけです。画像を何度も編集するなら、最初に一度 PNG に変換し、PNG のまま作業して、最後の最後に JPG で書き出しましょう。
透過
JPG には透過の仕組みがまったくありません。透過 PNG、WebP、GIF を JPG にすると、透明なピクセルを何かの色で埋める必要があります。この変換ツールは既定で白を使いますが、透明部分の背景色で黒や任意の色を選べます。PNG と WebP で出力する場合は、透過がそのまま残ります。
アニメーション
JPG と PNG に保存できるのは 1 枚の画像だけで、この変換ツールが書き出す WebP も静止画です。アニメーション GIF やアニメーション WebP は、最初のフレームだけになります。思わぬ結果にならないよう、ファイル一覧ではアニメーション画像に印が付きます。
sRGB を超える色
最近の iPhone や多くのカメラは、広い色空間(Display P3)で写真を記録します。ブラウザは標準の sRGB で画像を描画するため、彩度の非常に高い赤や緑がわずかにくすんで見えることがあります。画面や Web で見る分にはほとんど気になりませんが、色の正確さが求められる印刷作業では、カラープロファイルを保持できるデスクトップソフトを使ってください。
スマホの写真を変換する
画像変換ツールに持ち込まれる悩みで特に多いのが、スマホが生む 2 つの問題です。ファイルが開けないことと、写真が横向きに表示されることです。
iPhone の HEIC 写真
iPhone は 2017 年から写真を HEIC で保存しています。効率のよい形式ですが、Windows のソフトの多く、多くの Web サイト、Safari 以外のほとんどのブラウザでは表示できません。HEIC ファイルをここにドロップすれば、ブラウザ内でデコードされ、JPG・PNG・WebP で保存されます。HEIC 専用のオプションが必要なら、そのために作られた「HEIC を JPEG に変換」と「HEIC から PNG」をお使いください。
横向きになってしまう写真
スマホを縦に構えて撮っても、スマホはピクセル自体を回転させません。センサーが捉えたままの向きで画像を保存し、表示するときに回転するよう指示する「向き」のタグを付け加えるだけです。このタグを無視する変換ツールでは、写真が横向きや逆さまになります。このツールは変換前にタグの指示を適用するので、縦向きの写真は縦向きのまま。出力ファイルにはタグ自体が必要ありません。
Live Photos と連写
HEIC ファイルには、Live Photos や連写のように複数の画像が入っていることがあります。変換ツールはそのうちのメイン画像、つまり写真ライブラリで目にする静止画を使います。
形式を偽っているファイル
ファイルの拡張子は誰でも書き換えられるラベルにすぎず、実際の形式を示すのは先頭のバイトです。どの画像形式も、短いシグネチャで始まります。JPG はバイト FF D8 FF、PNG は 89 50 4E 47、WebP は RIFF に続いて WEBP で始まります。
拡張子が食い違う理由
Web サイトは、対応しているブラウザには WebP や AVIF を配信しながら、アドレスは昔の .jpg のままにしていることがよくあります。そのため、保存した「JPG」が実は WebP だった、ということが起こります。チャットアプリやクラウドストレージは、再圧縮するときにファイル名を変えます。JPG で保存しているのに、末尾に .png と付けるソフトもあります。ブラウザはバイトを読むのでファイルは問題なく開けますが、拡張子をチェックするアップロードフォームや、拡張子を信じる編集ソフトでは、受け付けてもらえなかったりエラーが出たりします。
この画像変換ツールの対処法
すべてのファイルの先頭バイトを読み取り、名前ではなくその中身で判断します。両者が食い違うときは、たとえば拡張子は .jpg、実際は WebPのようにファイル一覧に表示し、変換後のファイルには実際の形式に合った拡張子を付けます。名前と中身が食い違ったファイルを必要な形式に変換するのは、なかなか受け付けてくれないアップロードフォームを通す一番の近道でもあります。
メタデータ:残るもの、消えるもの
写真にはピクセル以外の情報も含まれています。EXIF メタデータには、カメラの機種、レンズ、露出、撮影日時、そしてほとんどのスマホでは撮影した場所の GPS 位置情報が記録されています。
削除されるもの
canvas を通して画像を再エンコードすると、新しいピクセルだけが書き込まれ、それ以外は何も書き込まれません。そのため、カメラ・日時・GPS のデータは変換後に残りません。この画像変換ツールが作るファイルには、EXIF も位置情報も一切含まれません。写真を公開する前や、知らない相手に送る前に役立ちます。
メタデータを残したいとき
並べ替えに撮影日が必要な場合や、旅行アルバムに位置情報を使いたい場合は、変換したコピーとは別に元のファイルも保管しておきましょう。写真から何が分かってしまうかを確認してから判断したいときや、元の形式のままメタデータだけを削除したいときは、「EXIF データを削除」を使ってください。
向きの情報について
向きは、画像の見た目を変える唯一のメタデータです。変換ツールはまず向きをピクセルに反映させるので、タグそのものが消えても何も失われません。
まとめて一括変換する
この画像変換ツールは、フォルダ 1 つ分の画像を、形式が混ざっていても一度に受け付けます。スマホの HEIC、Web サイトから保存した WebP、PNG のスクリーンショットを、1 回の操作で同じ出力形式に変換できます。
上限
1 回に変換できるのは、パソコンで最大 30 枚、スマホで最大 10 枚です。ファイルサイズの上限は、パソコンで 1 枚 20 MB、スマホで 5 MB です。約 16.7 メガピクセルを超える画像は、ブラウザが安全に描画できるサイズまで縮小され、その場合はファイル一覧に表示されます。
ZIP 内のファイル名
ファイルは 1 つずつダウンロードすることも、ZIP でまとめてダウンロードすることもできます。2 つの画像が同じ名前になる場合、たとえば photo.png と photo.webp がどちらも photo.jpg になる場合は、1 つ目を上書きせず、2 つ目を photo (2).jpg として保存します。
スマホで大量に変換するとき
画像は 1 枚ずつデコード・変換・解放されてから次に進むので、メモリ使用量は一定に保たれます。デコードに一番時間がかかるのは、サイズの大きい HEIC ファイルです。枚数が多いときは、ページを再読み込みせず 1 分ほど待ってください。
専用の変換ツールのほうが向いているとき
この画像変換ツールが扱うのは、どんな画像でも JPG・PNG・WebP にするという一般的なケースです。中には、特定の形式の組み合わせでしか意味を持たない設定が必要な作業もあり、当サイトにはそれぞれ専用の変換ツールがあります。上の表にすべて載っています。
写真やスキャン画像を 1 つの文書にまとめるなら、「画像を PDF に変換」で 1 ファイルに結合でき、サイズの上限内に収めることもできます。逆に PDF から画像にするなら、「PDF から JPG」が各ページを画像に変換します。ここに PDF をドロップすると、このツールが案内されます。
SVG とベクター画像
SVG には、指定するまでピクセル単位のサイズがありません。そのため「SVG から PNG」では、描画する前に幅を選べます。逆方向の「PNG から SVG」は、ラスター画像をトレースしてベクターのパスに変換します。
アイコンとファビコン
Windows のアイコンや Web サイトのファビコンは、複数のサイズを 1 つのファイルにまとめたものです。「PNG から ICO」はそのファイルを作成し、「PNG→アイコン変換」は Web サイトに必要なファビコン一式を作成します。
ファイルサイズの指定に合わせる
フォームで 100 KB 未満の画像を求められた場合、形式を変えるだけでは足りないことがあります。「100KBに圧縮」などのツールは、上限に収まる最高の画質を探し出します。
コードに埋め込む画像
小さな画像を HTML、CSS、JSON に直接埋め込むなら、「画像をBase64に」でデータ URL に変換できます。
ブラウザ内で変換する理由
オンラインの画像変換サービスの多くは、ファイルをサーバーにアップロードしてそこで変換し、しばらくコピーを保管してから削除します。このツールは、すべての処理をお使いの端末上で行います。
あなたにとってのメリット
画像がどこかに送られることは一切ないので、アップロードを待つ必要もなく、他人のサーバーにコピーが残ることもありません。ご自身で確かめることもできます。変換中にブラウザのネットワークパネルを開いても、ページから画像が送信される様子は見られません。アカウント登録も、透かしも、1 日の回数制限もありません。
その代わりに必要なもの
処理には端末のプロセッサとメモリを使うため、大量の画像は古いスマホよりノートパソコンのほうが速く変換できます。対応形式もブラウザによって変わります。AVIF のデコードにはある程度新しいブラウザが必要で、Safari では WebP ファイルを作成できません。その場合はファイル一覧に表示されますが、JPG や PNG なら問題なく変換できます。